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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-155


「母は、ひと月の間、僕を探し続け。」

「僕たち家族は、絶望と闘った。」

(目を閉じる夏樹の前に。 過去の記憶が、迫った。)

『誠司さんは、母を励まし続け。』

『名乗り出た、母方の。

遠い親戚が、千波ちゃんを育てる手助けをしてくれた。』

『今なら分かる。 あの時の出来事が、僕を強くした。』

(混乱する記憶は、古い思いを甦らせる。)

***

『・・チッ。 使えねーガキが。

言うこと聞いて、攻撃してりゃーいいんだよ! はぁ?』

『なんだ・・その目?』

『風が使えるってのは、はったりか? おい?』

『一人すぐ使えるのを、仕込めって、上から言われてんだよ。 てめーがやらねーなら、

お前がやれ。』

『・・んだ。 まだ居たのか?』

『帰れ、屑が。』

『必要なのは、お前じゃない。』

***



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