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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-156


『女の子だけなら、幸せだったのに。』

『・・かわいそうにねぇ・・。』

『ここだけの話よ。 もう一人、異形の子供が生まれたらしいわ。』

『怖いわねぇ・・。』

『そのせいで、お母さん。 すっかり弱っちゃって・・。』

『お父さんにも、捨てられたって聞いたけど。』

『あら? 違うの? うっふっふっ。』

『でも、故郷に居られなくなって。 逃げて来たのは、本当らしいわよ。 うふふっ。』

***

(千歳は、後ろ指差されるのも気にせず。
夏樹を探し続けた。)

「はぁ・・。 はぁっ。」

「夏樹・・、どこにいるの・・?」

(夜通し歩いた千歳は、汗をぬぐい。
明るみ始めた、夜明けの空を見上げた。)

***

「僕を探し続けたある日。」

「あの出来事が、起こった。」

***



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