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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-158


『僕は、悩んだ。』

『僕は、守る価値のない人間だ。』

(上る太陽の熱と共に、時が近づくのを感じる。)

***

(晃もまた、記憶を辿った。)

「あいつは、国に協力するふりをして。 粒樹をさらった。」

「保護していた子供が、連れ去られたことで。」

「強行手段に出た。」

「子供たちを案じ、距離を保ってきたが、

一気に解決を図った。」

「だがそのことが、反って国の守りを強固にした。 能力者を遮断し。」

「国は、子供たちを離さず。」

「交換条件にも応じない。」

「そんな状況だ。 あの日、異様な力を感知した、俺たちの発した警告が、

国に受け入れられるはずも無かった。」

「・・すべてが、あの場所を目指していた。」

「国に閉ざされた、子供たちのいる施設だ。」

「粒樹もまた、その場を目指していたとは。」



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