HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-159


(晃は、切れ長の瞳を伏せた。)

「だが、国とは別の意味で。」

「あいつは、粒樹に心奪われた。」

「魔力のように、粒樹を愛し。」

「粒樹を行かせまいと、留めていた。」

「だが、」

「運命を変えることは、出来なかった。」

「粒樹は、聖の手を離れ。」

「目的の場所へ向かった。」

(記憶の底で、晃は目を開いた。)

「今ならわかる。

すべては、

“夏樹”だった。」

***

(国は、開発施設を、FOTから遮断し。 踏み込めば、子供たちを抹消すると脅した。)

「もっと早く、気づいていれば・・。」

(あの時の後悔が、今も晃にFOTを続けさせた。)

「子供たちを逃がし、そこから一刻も早く逃げろ!」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ