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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-161


[「夏樹くんの居場所が分かりました。」]

[「僕が行きます。」]

[「そこを動かないで。」]

(誠司からの電話に、千歳は答えなかった。)

「・・こんなに、近くに居たのね。」

『あの子が呼んでる。』

「すぐに、行くわ。」

(千歳は、引きずる足で、走り出した。)

***

(ソラもまた、記憶の中に、瞳を開いた。)

「あの時。 俺は、エアリエル国で、“戴冠式”を迎えていた。」

「そうだ。」

「ルイの願いを叶え。 地上へ送り出した“闇の魔女”リザは、

代わりに、粒樹姫を育てた・・。」

「だが、ルイの死を知り。 自ら命を絶とうと、森を焼き。 姫を襲った。」

「反乱をくい留められた魔女は。」

「国から追放され。」

「最後の力を振り絞り、“呪い”を放った。」



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