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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-167
「捕えろ!」
(聞こえた男たちの言葉が。 夏樹を突き動かした。)
ゴオッ!
(男たちが下へ、降りてゆこうとした時。
夏樹の深い紺色の瞳が煌めき。 辺りに強い風が、湧き起こった。)
「きゃぁぁっ!」
「貴様・・!」
(子供たちは、叫び。 男たちは、夏樹に気づき手を伸ばしたが、
強い風が、辺りを包み込み。 あっという間に、
高い天井へ。 強靭なガラスを突き破り。)
(ガラスの破片を弾き、明け行く太陽の下に。
白い砂浜の上に。 夏樹は、走り出した。)
「お母さん・・っ!!」
(千歳は、砂に足を取られ、転びながら。
必死に、夏樹の傍に、駆け寄った。)
「はぁっ、はぁっ・・!」
「夏樹!!」
「心配したのよ・・っ。」
「ああ・・っ!」
「夏樹・・。」
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