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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-169


「まま〜、おほしさまっ!」

(海岸通り近くで、子供が、庭を掃いている母親の袖を引いた。)

「ん? ユメちゃん、ほんとね、流れ星・・・?」

(母親が、空を見上げ、星の軌跡を追った先。 突然、黒い雲が。
海の上に現れた。)

***

【封印されし、“闇の樹”の源よ・・。】

***

(夏樹を抱きしめる、千歳の背中に。 温かな温もりを感じた。)

「・・、あなた。 来てくれたの・・。」

(夏樹の背にも、温かな手があった。)

『・・!』

(見上げた夏樹の傍に。 夏樹と千歳を抱き締める。 瑠衣の笑顔があった。)

『それはきっと、最後に見せてくれた幻・・。』

(瑠衣はそっと、夏樹を支える千歳の手に。 手を重ねた。)

(千歳の指に、輝く桜の指輪が光り。 その手を、瑠衣が支えた。)

(最後に見た、母の顔は、穏やかな笑顔だった。)

【滅びることの、無いこの力。】

【果てるまで、滅ぼさん・・。】



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