HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-170


【我と共に、この世界に終焉を・・。】

ゴオッ・・!!

(夏樹は、その先に、何があるのか。 見ることは出来なかった。)

(菖蒲は、慣れない能力を、必死にコントロールし。 夏樹を、
記憶の眠りから呼び覚まそうと。 呼びかけた。)

「夏樹様っ!」

「起きてください!」

『いけない・・、これ以上は。』

『心が、壊れてしまう。』

(菖蒲は、僅かの間、夏樹から、記憶を切り離した。)

(同時に、強い封印の力を感じる。)

ギィィィーンッ

(夏樹の胸元に光る銀の指輪に、施された封印が。
菖蒲の力を助け。 つかの間、記憶の波から、夏樹を守った。)

(その力は、橘と。 聖が施したものだった。)

『・・!・・』

(幼い深い紺色の瞳が、恐怖に見開く。)

(一瞬の内に、強大な。 黒い空が。 頭上から、夏樹に落ちてきた。)

(夏樹は、抵抗することも出来ず。 一瞬で、“闇”に溺れた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ