HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-174
(微笑む、粒樹の“鍵”の輝きが、“闇”を弾き、
夏樹を、押し寄せる波から守った。)
『どうして、僕なんだ!』
『もっと、守られるべき人がいる。』
【“闇”の樹の源よ・・。】
トクンッ・・
(粒樹は小さな唇を開いたが、声はもれず。
その言葉は、直接。 脳裏に届く様だ。)
ドクンッ・・!
(祈るように、“鍵”を胸元にかかげた。)
(深い紺色の短いソバージュの髪が揺れ。 祈りの言葉と同時に。
胸元の、美しいビーズ飾りのアクセサリーが、きらきらと光った。)
(“鍵”の煌めきは、ビーズを揺らす。)
(空間通路を渡り、追いかけた聖が。 二人の傍へ、“闇”の最中へ舞い降りた。)
『輝いているのは、“鍵”だけではなかった。』
『彼女自身の胸元から、光は、湧き出でる。 屈折し、
血流に乗り、強く。 白い肌を眩しく輝かせた。』
キィィィーンッ・・
【聖なる“鍵”の力よ・・。】
ドクンッ・・!!
『 次ページへ 』 『 前ページへ 』