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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-187
『本当に、僕が居ることを、望んでた・・?』
『ごめんなさいお父さん。 ぼくがふつうの子じゃなくて・・。』
『ごめんなさいお母さん。 ぼくがいるから、お母さんがいじめられて。』
『ぼくがいなくなればよかった・・。 ねぇ、みんなを助けて。 ぼくひとりいくから。
みんなを助けて。』
(夏樹は再び、一人。 雪景色の中に、取り残された。)
(雪の中、泣く夏樹。)
「わぁぁー・・。」
(降り注ぐ雪が、遠く。 幼い夏樹を、心の奥底に、隠した。)
・・リーン・・
『そうだ、夢の中で。
花弁の向こうに、君がいた。』
***
『雪が、溶ける日がくるのだろうか。
彼女と、この景色を見る日が・・。』
(雪景色に取り残される夏樹の前に、
花吹雪が舞った。)
(光の射す、花吹雪の向こうで。
紫苑が、微笑んでいた。)
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