HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-193


***

(夏樹と菖蒲は、コテージの外に出た。)

「夏樹くんっ!」

「大丈夫!?」

(紫苑は心配そうに、冷たいタオルを持って、駆け寄った。)

「うん。」

(夏樹は、落ち着いた。 笑顔に戻っていた。)

「これ。」

「この絵をありがとう。 さっきは、ごめん。」

(夏樹の手には、紫苑が残して来た、絵が握られていた。)

『!』

(紫苑は驚き、胸が高鳴った。)

「・・、紫苑さん。」

「受け取らせてもらえないかな?」

(夏樹は、すまなそうに、照れくさそうに。 大事そうに、
両手で小さな絵を抱えていた。)

「ふふふっ。 どうしようかな?」

(白い指先が、絵に触れる様子を見て、紫苑は嬉しそうに笑った。)

「え?」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ