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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-20


(ピュアも頷いた。)

「はいです。 強い力を感じます。」

「強い魔力がかかっているような。」

(ミイは瞬いた。)

「強い力・・?」

(ピュアは囁いた。)

「封印です。」

「・・あいまいだという夏樹さまの、子供の頃の記憶。」

「“時の欠片”が生まれた日の出来事。」

「そこに、封じられている気がしますです。」

***

リーン・・

(雪景色の中で、夏樹は目を開けた。)

ヒョォォォーッ

(冷たい風が、強く吹く。 粉雪の舞う、雪の丘に。 枯れ木が並ぶ。)

『時折、甦る雪の中の幻が。 僕を包んだ。』

『冷たい雪の丘に、生気を失う枯れ木たちは。』

『ソラの国で滅んだという、“闇の樹”を思わせた。』



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