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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-26


(海風が、木々の香りを運び。
晃は、深呼吸した。)

「ふぅ・・。」

「昔のことを思い出すなんてな。」

「胸騒ぎがする。」

ピコンッ

「変わりないか?」

「これから人出が増す。」

「気を付けろ。」

ピコンッ

(通信機の向こうで、白が笑った。)

[「大将こそ〜・・、やられないようにね〜・・。」]

[「・・契約の力は〜・・。 ぜったいらしいから〜・・、」]

[「・・夏っちゃんを追っている、あの異国の能力者。」]

[「・・彩さんに〜・・、だまされたって知ったら〜・・。」]

[「・・行き先が〜・・、“鍵”じゃなくて〜・・、」]

[「大将だって知ったら〜・・。 間違いなく、殺しにくるね〜・・。 ぐぅ・・。」]

(晃は笑った。)

「あっはっはっ。 子守歌にしては物騒な寝言だな。」



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