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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-27


『聖の“結界”がいつまで持つか。』

『あいつの創ったFOTが、終わろうとしている。』

(晃は鋭く、上空を見た。)

(賑わい始める人々の頭上高く。 淡い黄色の光が、
まだ、煌めきを見せて。 振動した。)

『カウントダウンは、始まっている。』

ピッ

[「晃くん。 私も遊園地で、菖蒲くんたちと、合流するわ。」]

[「皆が心配だし。 夏樹くんと千波ちゃんに、お祝いを言わなくちゃ。」]

(晃は微笑んだ。)

「そうだな。 静乃。」

(晃は、その時を予感した。 黒服の襟元に触れ。 通信機を通し、
FOTメンバーの位置を確認し、目を細めた。)

『あいつの心が限界に近付いている。』

『夏樹の身体もまた。』

(初めから、聖が予感していたことを感じ。 晃は、甦る記憶に顔を歪めた。)

『結界が壊れれば、“闇”と人を。』

『“能力者”と人を、隔てる壁が無くなる。』

「あいつなりの、置き土産のつもりか・・。」



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