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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-36
(夏樹は、記憶の中で瞬いた。)
(閉ざされ、抜け出すことの出来ない、雪景色の向こうに。)
(舞う花弁の中に。 その男はいた。)
(執拗に夏樹を追い、命を狙っている男だ。)
「フェルゼンの記憶か・・。」
***
「サラ様。 あの男に、気を許してはならない。」
(魔導師セナは、男の持つ気配に、警告した。)
(だがサラは、悲し気に水色の瞳を揺らした。)
「ルナ国の国土の様子。」
「酷いものです・・。」
「あれでは、人は生きてゆけない。」
「かの国は、すべての命の力を、エネルギーに変え。
高度に発達した文明を生み出したという。」
「国土の力を、人のために使い。」
「自然は、破壊された。」
「今では、人の命さえも、国土を動かす力に使っているのです。」
(サラは、戸惑い感じ入った様子のフェルゼンを見た。)
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