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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-37


「あの人にとっては、ここで見るものすべて。」

「輝きに満ちていることでしょう。」

(サラは、目を細めた。)

「エアリエル国は、正反対に。」

「王が国土に力を注いでいる国。」

「この国の良い形を。 生かしてほしい。」

(セナは、それが何をもたらすのか、まだ気づいていなかった。)

『だが。』

『あのような事態を巻き起こすとは。』

『異界から来たあの男が・・。』

『“闇の魔女”の過ちに、気づくのは。 そう遠くなかった。』

(セナは、目を閉じた。)

「命。」

(フェルゼンの瞳は、赤く滲んだ。)

「これが命の輝きよ。」

「どれ一つとして、同じではない。」

「ひとつ、ひとつに宿っているの。」

(リザは、フェルゼンに近付き。 自慢の森に咲く花々を指さした。)



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