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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-39


「すべては過ちが、歯車を狂わせたのだろうか・・。」

***

【・・俺は、彼女に心酔し。】

【彼女と、“闇の魔術”に溺れた。】

【くっくっ。 この国の力を奪うために来た事など、どうでも良くなった・・。】

【そうだ・・。 なぁ。】

【彼女は、守るべき者に、すべてを注いでいた。】

【・・同時に・・、そうまでさせる者に・・。】

【俺は・・憎しみを抱いた・・。】

(赤い瞳は、憎しみを込め、その者を見た。)

(フェルゼンの見つめる先で、リザの黒い瞳は、たった一人の人を常に映していた。)

【やがて・・、この国の王になるという男・・。】

【・・ルイ・・。】

【・・リザが、ルイに抱いていた感情は・・。】

【王への忠誠心などではない・・。 そうだろう・・? なぁ。】

【俺は、リザの傍で。 その心を見抜いていた。】

【だが・・、あいつは・・。】

【いとも簡単に・・、それを裏切った。】



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