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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-41
「まさかまた、水鏡の呪文を・・?」
「異界を覗いてはいけないと、言ったのに・・。」
(幼さの残る、深い紺色の瞳は。 悪びれもせず、煌めき。
不満げに口を尖らすと。 先ほどまで、リザが座っていた場所に、
向かい合い腰を下ろしている、こちらを見つめている男性を見た。)
「リザこそ。 フェルゼンに、異界の話を聞いているじゃないか。」
「僕も、行ってみたい。」
(赤い瞳は、冷やかにルイを見たが。 喜びに湧くルイには、届かなかった。)
「・・、彼とは、魔法の話をしていたのよ。」
「困った子ね・・。」
***
「他愛無い、いたずらだったのだろうか。」
(甦る記憶の奥で。 見つけた、自分と良く似た人物の姿に。
夏樹の胸が、詰まった。)
「気楽なものだ。
おかげで、僕は。 殺されかかっている。」
(そう言いながら。 ルイを目にしたことに、夏樹の心は、揺り動かされた。)
『・・聞きたいことが、山ほどあった。』
『それよりも。』
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