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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-43


「どうしたの?」

(友達に呼ばれ、少女は瞬き、振り返った。)

「ん・・。 ううん、何でもない。」

(少女は明るく微笑み、友達と歩き出した。)

***

「彼女と、目が合った。」

「僕を、見てくれた・・っ。」

「チトセ・・。」

(ルイは、魔法の水鏡の向こうで。 時空を超え、彼女を見つけた。)

(それは、許されないことかも。 知れなかった。)

(だが、夏樹の胸に。 ルイの喜びが、流れ込んだ。)

***

『僕は、父を許すべきじゃない。』

『なのに・・。』

『たった一人の人を、見つけた喜び。』

「違う世界に、生きていたはずの二人。」

「そうして、母と出会ったのか。」

『千歳。』



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