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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-45
(幾重にも重なる、レースのドレスが、炎に包まれる花々と同じく。
炎に追われてゆく。)
【はぁ・・っ!】
(息を飲み、振り返る。 深い紺色の瞳に映る。 変わり果て、炎に包まれる聖なる森。)
【・・この世界で見るもの・・。】
【すべてが、俺にとっては、不思議だった・・。】
【・・この世に、“命”あるは、奇跡。】
(赤い瞳が。 炎の奥で。 血の様に滲んだ。)
【奴らに、教えてやろう。】
【・・それは、一瞬で消え去るということを・・。】
ドォォォーンッ!!
(“闇”が押し寄せる中。 フェルゼンは、リザを抱き寄せた。)
【“闇の力”だ・・。】
【“闇の力”がほしい・・っ。】
【・・リザを、甦らせる・・っ。】
(黒い“闇”と、赤く光る眼が。 夏樹を射抜いた。)
***
「夏樹様・・。」
「こちらにいらっしゃったのですね。」
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