HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-51


「僕は死に、“闇の種”は失われ。 “闇の魔女”は滅びただろう。」

(菖蒲は、息を飲んだ。)

「粒樹が、“闇の魔女”の死を防いだ、だが フェルゼンは、

粒樹が“闇の魔女”の力を奪い、“時の欠片”に閉じ込め、

この地上に降らせたと思っている。」

「“闇の魔女”の心を奪ったルイと、力を奪った、粒樹。」

「フェルゼンはどちらも許さない。」

「もちろん、命を得た、僕のことを。」

『僕と“鍵”、“闇”と“闇の魔女”の運命は一つ。』

『僕と“鍵”が消えた時。』

『呪いは解け。』

『“闇”と“闇の魔女”は終わるのだ。』

(深い紺色の瞳が、煌めいた。)

「フェルゼンは、」

「リザと、フェルゼンの国を救うはずだった力を失った。」

「聖は、粒樹を失い。」

「僕は、母を失った。」

(夏樹は、自身の胸元に触れ。 その鼓動を確かめた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ