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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-60


チャポンッ

(靴を脱いだ夏樹が。 真っ白い素足を、湯船につけ。)

(紫苑と触れ合う間近に、腰を下ろした。)

キイッ

「!///」

「・・。 聞こえた・・?///」

(紫苑は、恐る恐る、夏樹の顔を覗いた。)

(夏樹は、何か考えるように、紫苑から目を逸らし、
温かく立ち上る、湯気を見つめていたが。)

(問いかけに頷くと。 息が触れるほど間近で。
紫苑を見つめた。)

「聞こえた。」

(深い紺色の瞳は。 煌めき揺れ。 迷いながら、
何かを決めたようだ。)

「///;」

(紫苑は耐え切れず、視線を落とし。 湯船を見つめた。)

(温かな湯の中に。 素足の紫苑のすぐ傍に、
夏樹の足先があり。)

(隣並ぶ夏樹の肩からは、冷やりと心地良い風が流れた。)

「ダメだ。 僕は。」



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