HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-65


(茶色の瞳から、大粒の涙が、ぽろぽろと零れ落ち。)

(湯気に上気する頬に。 幾筋も、涙の跡を残す。)

「夏樹くん・・。」

(名を呼ぶ紫苑の頬から。 こぼれ落ちる涙の滴に。)

(夏樹は、愛しさが込み上げ、手を差し伸べた。)

『雪が溶けるまで・・。』

「少しだけ・・、待ってもらえないか?」

「くすっ。」

(滲む紺色の瞳が、微笑んだ。)

サワサワッ・・

(風が、二人を見守っていた。)

(遠くで様子を見守っていた菖蒲は、微笑み。 千波と頷いた。)

「ああ・・。」

「・・うん。」

(ほっとした瞬間。 見守っていたソラの、水色の瞳が輝いた。)

「・・お!?///」

(皆が気づき、夏樹と紫苑に注目した。)

「お・・っ、おい! いきなり大胆過ぎるんじゃ・・? ん?」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ