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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-72


「白馬の王子様を待つっていうの?」

「あたしゃ、あんたが心配。 決めたら頑固だから。」

(千歳は微笑み、キッチンへ向かった。)

「ふふっ///」

「見守ってくれている人がいるのは、本当。」

「子供の頃から、感じてたの。」

(その温かな視線を思い描き、千歳はグラスに。 鮮やかなシロップを注いだ。)

(氷の涼し気な音に、ソーダが弾ける。)

『“彼”がいると分かったから。 どんな時も寂しくなかった。』

「どうぞ。」

コトンッ

(鮮やかな紫色のソーダに、依子は目を輝かせた。)

「おわっ! すごっ♪」

(グラスには、ラベンダーの花が添えられていた。)

「ラベンダーソーダ。」

「シロップを作ったの。」

(千歳は、依子の笑顔に満足した。)

「ケーキも焼いたから、食べてみて。」



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