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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-76


(切なく。 遠く。)

「・・・っ。」

(届かない遥か遠くから。 今ここへ。
この腕に、触れる場所へ。 降り立ったのを感じて。)

(千歳の心は、震えた。)

「・・初めまして。」

「わたしは、千歳よ。」

「あなたは・・?」

(千歳は、予感していた。)

【・・ルイ・・。】

(嬉しくて、夢ではないか。 確かめたくて。 そっと、
指先で、ルイの背中に触れた。)

『それは、初めてではなかった。』

『彼だ。』

『わたしが、待っていたのは・・。』

『彼だって・・。 わかった。』

ぐきゅ〜るるぅぅ・・

(感動の瞬間を打ち切って、鳴ったのは。 ルイのお腹だった。)

「ん?」



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