HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-83


「これは、あなたが描いたの?」

(スケッチの中には、幾枚か。 現実とは思えない、
ファンタジックな、美しい景色が、リアルに描かれているものがあった。)

【うん。】

【あ・・っ! そうだ!】

【お昼までに、戻らないと。 いけないんだった。】

(男性が何かを言っているように。 口元が、動いた。)

(声が届かず、女性は瞬いた。)

「あっ、待って!」

「私は、桜。」

「近くのアトリエで、働いているの。」

「また、会えないかな?」

(桜は、持っていた、名刺を差し出した。)

【カフェ、『青』で。】

(男性は、去り際、微笑み。 お店の名刺を差し出した。)

「natural cafe『青』」

(桜は、微笑み。
木漏れ日に、名刺をかざした。)

「・・瑠衣っていうんだ。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ