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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-87


「今度、うちのアトリエに、絵を飾ってみない?」

「もっと見てくれる人が、増えると思うの。」

(桜は、微笑み。 瑠衣と千歳は、嬉しそうに頷いた。)

【うん。 お願いする。】

チリンチリン・・

『私たちは、すぐに仲良くなった。』

(ドアの向こうから、もう一人、男性が現れた。)

「こんにちは。」

(桜は、立ち上がり、招き入れた。)

「誠司さん、こっち。」

(こげ茶色の整った髪。 こげ茶色の瞳が、温かく微笑んだ。)

「初めまして。 春日誠司です。」

「よろしく。」

(誠司は、にこやかに。 瑠衣に手を差し出した。)

【よろしく。】

(二人は、強く。 手を握り合った。)

『あの時、きっと。』

『私たちが、託されたのは。 絵だけじゃなかった。』



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