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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-9
(それは、先程描き上げた、絵だった。)
『今、ここにいること。』
『あなたといること。』
『嬉しかった。』
(紫苑は、小さく震え。 今にも泣きだしそうだった。)
『届け。』
(二人を見守る皆は、心の中で。 強く祈った。)
『届け。』
(緊張感を和ませようと、佐織は、皆の前に笑顔を向けた。)
「写真。 写真撮ろっ。 ね、皆。」
『・・/// 何とか言ってよ、雨宮・・っ。』
「・・紫苑・・。」
(二人は、動かぬまま、立っていた。 佐織は、紫苑を励まそうと、頷いた。)
『・・届いて・・。』
(祈る佐織の視線の先で、夏樹の表情が変わり。 何かを告げようと、唇が動いた。)
『すべてが、今日のためにあったとしても良い。』
『嬉しかった。』
『すべてが、今日のためにあるのなら。 何も無駄なことはない。』
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