HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-96


『瑠衣・・。』

『大好きよ。』

『・・、なのに。』

『どうして、・・。』

『どうして、ずっと。』

『一緒に居てくれなかったの・・?』

***

(翌日、千歳は上機嫌だった。)

「へっへ〜っv///」

(可愛らしく、ピンク色に輝く、桜を付けた、銀色の小さな指輪を。
千歳は、左手の薬指にはめ。 依子に自慢した。)

「! 瑠衣のプロポーズを受けたの!?///」

「あんたって人は・・っ!///」

(依子は、無謀だと言ってやりたかった。 瑠衣と一緒になったところで。
平坦な道が待っているとは、思えない。 千歳が得られるはずの幸せを、
失うように思えた。)

(それなのに、指輪を掲げる、千歳の。 幸せそうな顔を見ると、
依子は、たまらない気持ちになった。)

「何もかも、失うよ。」

「それでも、いいの?」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ