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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-97


(千歳は、掲げていた手を下ろし、そっと。 一輪の桜に触れた。)

「彼が、何か大きなものを捨てて、ここへ来たんだって。

わかったの。」

(真剣に二人は見つめ合った。)

「だからって、あんたまで何もかも捨てることはないわ。」

「あたしが、たしかめてあげる。」

(依子は、瑠衣の元へ行き。 声を荒げた。)

「瑠衣!」

「よく聞いて。」

「あんたしかいないのよ!」

(瑠衣は、瞬き驚いた。)

【依子。】

「いい。 あんたしかいないの!」

「千歳を幸せに出来るのは。」

「あんたなのよ!」

「わかってんの?」

(依子は、二人の幸せを願っていた。 瑠衣に怒鳴る、依子の目は、涙で滲んだ。)

【うん。】



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