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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-101
(美味しい香りと、皆の笑い声を背に。 二人は、
さらに賑やかな人波の中へ、歩き出した。)
「わぁっ! すごい賑わってるな。」
(大きな緑の樹を中心に、手作りのお店は並んでいた。)
「きゃぁっ、ほんと///」
(紫苑は、人波にぶつかりそうになり、
夏樹に、ぶつかった。 冷たい感触に戸惑う間もなく、
次の人波が押し寄せ。 夏樹は、紫苑の手を取った。)
『・・・っ。』
(冷たい手は、氷の様で。 熱い人々の熱気の中。
指先から伝わる冷たさに、ちくりと、
胸が痛んだ。)
「すごい人だな。 掛けて、何か飲もうか。」
(深い紺色の瞳は、楽しそうに微笑み。
透き通る白い肌に、かかる深い紺色の髪は、汗に光っていた。)
「くすすっ/// 夏樹くんこそ、大丈夫?」
「人混みは、苦手なのかなって思って///」
(夏樹は、少し考える風に、白い両手で
顔を覆った。)
「ほんとは少し。 でも、こういうの憧れる。」
「・・見てみたいお店があるんだ。」
(白い指の間から、覗く深い紺色の瞳が、笑った。)
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