HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-102


「え?」

***

「ん・・。」

「何、今の冷たいの。」

(音々は、黒い短い髪をなびかせ。 人混みの中、振り返った。
黒い瞳の視線の先に。 深い紺色の髪の後姿が通り過ぎた。)

「なに言ってんの、音々ちゃん。」

「あれっ! あれ、生徒会長じゃね?」

(麗は言いながら、音々の背中をばんばん叩いた。)

「いてーな!」

(音々は顔を上げ、背の高い麗に振り向いた。)

「お〜い! 仙崎会長〜!」

(音々は、麗の頭をどついた。)

「ばかっ、声かけんなよ。」

(たくましい麗の腕を、力まかせに音々は引き。
春人たちに、背を向けた。)

***

「ん? 今の、2年D組の生徒じゃねえか。」

(春人は、思い切りズワイガニの足を割り、満足そうに頬張った。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ