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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-113


(ソラは、頷いた。)

「ああ。」

(駆も、視線の先で。 佐織と千波、
チイが楽しそうに魚介類を頬張っているのを見てから。
そっと、ピュアの向かいに掛けた。)

「そうだ。 色んな奴が、あいつを狙ってる。」

(ミイもそっとテーブルに寄り添い。 目立たぬ様、人波に背を向け。
ソラの隣に立ち。 隣のテーブルで食べている、千波に心配を掛けぬ様。
心なしか、視線を遮るように。 立った。)

「・・ソラ。」

(不安げなミイの顔に。 励ますように。 ソラは頷いた。)

「あの時。 夏樹は、死ぬはずだったんだ。」

「まだ、夏樹が子供で。 俺が、時を超えた世界、異世界エアリエル国で、

戴冠式を行った日だ。」

(ミイは、息を飲んだ。)

「“闇の樹”を失った今。 “光の樹”に命の力を注ぐ為。

“光の樹”の王になるため、俺は戴冠式を受けた。」

「だが、それは、“光”の次に“闇”を王にしなければならない、

伝統に反していた。」

「俺は、戴冠式に失敗し。 かつて“闇の樹”を焼いた、魔女の呪いが、

再び、目覚めたんだ。」



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