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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-119


「・・えっ///」

(紫苑がどぎまぎし、急に頬を真っ赤に染めた。)

「ははっ。」

(男性は、二人の様子を見て、あごひげを撫で。 夏樹にウインクした。)

「今度、遊びにおいで。 俺、海岸通りで、カフェを開いているんだ。」

「彼女とね。」

(男性は、嬉しそうに女性の方を見た。)

「ありがとうございます。」

(夏樹は、笑顔で頷いた。)

「花火が上がると良いね。」

(会釈した夏樹に、男性は微笑んだ。)

「可愛い二人だったわね。」

(二人を見送り、女性が笑った。)

「始まったばかりね。」

***

(冷たいソーダを手に、二人は。 大きな緑の樹の下の、
ベンチに腰を下ろした。)

(木陰が心地良く、頭上にはためく、鮮やかな旗や風船が。
優しい風を連れ、座る二人を包んだ。)



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