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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-120


「わぁ/// おいしい!」

(紫苑は嬉しそうに、ソーダを飲んだ。)

「お散歩カフェ『花』」

「可愛い名前ね。 遊びに来て良いって、言ってたね。」

(紫苑は、可愛らしいカップと、お店の看板を見て、
夏樹を覗いた。)

「うん。」

(夏樹は、何か考えている様子で。 カップを片手に、まだ口を付けずに、
見つめていた。)

「natural cafe『青』」

(夏樹が呟き、紫苑が瞬いた。)

「え?」

(夏樹は、首を振り、微笑んだ。)

「ううん。 ・・、夢の中で。」

「父と母が、カフェを開いてた。」

「僕がまだ、生まれる前のことで。 昔の記憶かもしれない。」

(白い指先の中で。 鮮やかな、紫色のソーダが、
小さな泡を弾かせていた。)

「(すぅ・・。)」



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