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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-122


(そこはすでに、戦いの場だった。 彩は、全ての感情を捨て、
前を見た。)

「間もなく、首相がお見えになります。」

(彩は、鋭い視線で、前方の大きな扉を見た。)

「ええ。」

(地下から抜け出た、階上は、強い光に包まれ、開かれた高い天井。
廊下に、無数の人が控え。 彩の行く先の、巨大な扉が開かれた。)

ギギッ

(室内には、すでに、要人たちが腰を下ろしていた。)

(テーブルに着けば、後戻りは出来ない。)

「ふう・・。」

(彩は、席に着く人々の顔を見ずに。 腰を下ろした。)

***

(剛は、白と共に、遊園地の入口に立っていた。)

(ふと見上げた空の彼方に。 雷雲が見えた。)

「こりゃ、一雨来るな。」

(白は、柔らかな白い髪を揺らし、匂いを嗅ぐ様に、雲の向こうへ顔を向けた。)

「(くんっ)・・ふぅ〜ん・・。」

(白の虚ろな瞳の奥で。 警戒し、強い光が揺らめいた。)



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