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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-125
(紫苑は、瞳を開いた。)
「・・、夏樹くん・・。」
***
(青葉は、瞳を開いた。)
「は・・っ、・・はぁっ。」
(少し汗ばむ胸元を押さえ、呼吸を整えた。)
「・・ん・・、行こう、ぴよちゃん。」
(不思議と、青葉の意識がはっきりとした。 何かが、迷う青葉の心を正し。
前へ進む力を与えた。)
「ふふっ。」
(青葉は、自分が微笑んでいることにはっとした。 笑顔でいられる気がした。
青葉の瞳は輝き。 流れる力が、青葉を立ち上がらせた。)
***
(夏樹は、紫苑を前に。
心の奥から、湧いてくる想いを飲み込んだ。)
(気を抜けば、口に出してしまいそうだった。)
『たまらなく愛しく、掛け替えのないものに思えた。』
(自分を見つめる、紫苑の明るい茶色の瞳は、輝き。
純粋で、真っ直ぐで。 可愛らしく、紅潮する頬に。 色付く唇。)
(触れれば、今にも。 零れ落ちてしまいそうに。 瞳が潤んだ。)
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