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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-132
(迷う、夏樹の心を照らす、金色の瞳は、輝いていた。)
「決して、消えることはない。
僕が、見ていてあげよう。
大丈夫だ。
出来る。」
(霧雨が、夏樹の頬を濡らす。 星空を覆い隠す雲が、頭上に立ち込め始めたが。)
(人々の熱気は絶えず。 雨が降らぬことを願う思いと、打ち上げの時を待ちわびる
期待に。 辺りは包まれた。)
「夏樹、こっちだ。」
「ここから、良く見える。」
(ソラは、遮る物の無い、開かれた場所へ、夏樹を案内した。)
(だが、花火を見ようと、集う人々は増え。 ソラたちは、熱気の中に。
押し合い立った。)
「夏樹くん。 ドキドキするね!」
(紫苑は、夏樹の傍に立ち。 人波に押され、夏樹に寄り添い、星空を見上げた。)
(高鳴る鼓動に、つま先立ち、両手を合わせる。 紅潮する頬に、髪がかかる。
熱気に包まれる汗と、小雨の滴が。 髪を頬を。 瞬く睫毛を濡らした。)
「うん。」
(夏樹は、皆の喜びの中に、立っていることを感じた。)
『聖。』
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