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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-142


(雨が、激しく、二人を打った。)

(最後を飾る、大輪の枝垂れ花火が。 頭上に花開く。)

(人々の歓声。 海の上へ、地上へ。 人々の上へ。)

(長く、消えぬように、尾を引く。 枝垂れ花火が。 金色に、二人の頭上に、
降り注いだ。)

ババババババッ

ドーンッ

***

(地響きと共に、黄金色の火花が、暗い夜空を覆いつくした。
何が起きたのか、奇跡的な変化をもたらした出来事は、一瞬で。)

(菖蒲は、驚き。 瞬いた。 雨の滴が、眼鏡にかかり、
金の滴が、視界を覆う。)

「夏樹様・・。」

(菖蒲は、この時を胸に焼き付け。 瞳を滲ませた。)

「やったな! 夏樹!」

(ソラは、拳を握り。 雨が。 歓喜する頬を、身体を。 伝う。)

(それは不思議と心地良く。 祝福を受けるように思えた。)

「夏樹さんっ/// 紫苑ちゃん・・///」

(ミイは喜びに、叫びたい気持ちを抑え、口元を覆った。)

(佐織も、千波も、チイも。 静乃も、駆も、春人も。 ピュアも。)



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