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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-150


(叫んだのは、晴だった。)

「え?」

(ぱこは、背後に振り向いた。 見えたのは、黒い塊。
豊かな三つ編みが、揺れたと見えた一瞬。)

(四角く輝く光の壁が。 ぱこと、黒い塊を、包み込み、目の前から消し去った。)

シュンッ・・!

「消えたっ・・!? ぱこっ!」

(光の残像が目に残る。 だが、前方を見ても。 ぱこの姿も、
一瞬見えた、巨大な怪物らしき影も。 見えなかった。)

「晴くんっ・・!」

(真は、恐れおののきながら、頭上を見上げた。)

(影に暗くなる、足元。 見上げた先に、背後から。
自分を見下ろしている。 巨大な四つの目が。 赤く。 暗闇の中に光った。)

「きゃぁぁぁぁぁ〜〜〜!」

(晴は、真に向かって、走った。 だが、強い力で、
側面から、自分たちに向かい、押し寄せる。 巨大な、四角く光る壁が
晴の身体を包み。 衝撃に、押し飛ばされ、晴は。 四角い光に包まれる空間の中。
もんどりうち、地面に、肌が。 擦れる痛みを感じた。)

ゴォォォーッ キンッ

「・・・っ!」

***



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