HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-154


『狐次郎が、僕の情報を、晃さんの物とすり替えたと言っていた。』

「あいつは、“鍵”の在り処を探りに来る。」

「僕のために・・、誰かを。 傷つけさせたくない・・。」

(夏樹の思いと裏腹に、晃は。
自らを、守りの無い場所に置き。 静かな表情で、FOTが創り出してゆく結界を。
見つめていた。)

***

「邪魔だよ。 晃君・・。」

(薄く開いた、金色の瞳が。 空間の向こうから。
その光景を見ていた。)

「くっくっ。」

(自分はここに居ると、言いたげに。 無防備に立ち。 それでいて、満足そうに、
仲間の様子を見つめている。 晃の笑顔に。
聖は、面倒くさそうに笑った。)

「君の。 そういうところが、

嫌いだ。」

***

「ママー。 花火、きれいだったね!///」

(蒲公英は、興奮した面持ちで、花火の輝きを瞳に残し、微笑んだ。)

(虹色にライトアップした観覧車は。 蒲公英たちを乗せ、間もなく、
頂上に達しようとしていた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ