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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-156
(地上から高く、数馬からはその姿は見えなかった。
だが、赤い瞳が光るように。 鋭い気配が、地上からこちらを見ていた。)
ドクンッ
「!」
(数馬は、反対に。 窓の上を。 観覧車の上を見上げた。)
「上に居る。」
(嫌な予感は、的中した。 雨粒に、黒い滴が混じっている。)
【ブフッ・・】
【グルルル】
(観覧車の上部に、黒い獣の影が現れた。 光る四つの瞳。)
(見上げる、闇夜に、浮かぶ。 赤い瞳の数が増える。)
ガツンッ
(観覧車を支える柱に。 重みが加わり。 ゴンドラが揺れた。)
「・・っ。」
(誠司は、異変を感じ。 数馬と並び、上空を見上げる。
ゴンドラはきしみ。 不安定な足元に、ぐらついた蒲公英を誠司は、抱いた。)
「桜さんも、こちらへ。」
(誠司は、桜の腕を取った。)
「・・あなた・・。」
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