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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-157
(不安げな桜に誠司は微笑んだ。 桜は蒲公英を両腕に抱き。
蒲公英は、桜の腕の中で。 まだ状況が分からず、大きな瞳で、瞬いた。)
「大丈夫。 数馬くんが居ます。」
「夏樹くんも。 FOTも。」
(誠司の言葉に、数馬は。 頷いた。 桜の腕の中の蒲公英に。
強く頷き。 笑ってみせた。)
「まかせろ!」
(数馬の中に。 熱い力が、湧き起こった。)
***
「はぁ・・っ、はぁっ。」
(雨の中、夏樹は、晃の元へ向かい走った。)
(聖の注意が、晃に向いているのを感じた。
挑戦的な晃の行動は、聖の感情を逆撫でた。)
ピコンッ
「・・はっ、菖蒲。」
(呼び出し音に、夏樹は立ち止まり。 雨の雫が滴る手で、
通信機を起動した。)
[「夏樹様。 数馬様の元へ向かってください。」]
(夏樹は、迷い、首を振った。)
「だめだ・・! 晃さんが、結界の外に居る。 おとりになるつもりだ。」
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