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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-159


(それだけの数の“闇”が、今起こり。
戦いが起こっていた。 自らの向かう先を示していた。 決して、
普通の人々が、向かう場所へは戻れない。)

「はぁ・・。 はぁっ。」

(祭の中、人々の笑顔の中に、居られた時は。 幻だった。)

(幸せは、一瞬で、壊れるものに思われた。)

「壊させない・・。」

(深い紺色の瞳は、鋭く光り。
クリーム色に結界が。 淡く、振動するのを、見た。)

『聖。』

「僕は、守る。」

***

(風に、導かれた先。
麗は、眩い光の中。 目を逸らさずに、その光景を見た。)

キンッ・・ グワンッ

「!」

(麗は、四角く切り取られた、光の空間の中に居た。)

(景色が反転するかの様に、歪み。 麗を包み、また、同じ景色が目の前に現れた。)

(だが、今度は。 そこに居るのは、麗と音々。
そして、黒い塊の様にうごめくものと、
麗と音々に背を向け。 そのものに立ちはだかる。 屈強な男の背中だった。)



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