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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-160


【ゴォォォッ!】

バキバキッ ボキッ

(男は、向かってくる巨大な“獣”を、鋭き牙を物ともせず、
大きな、皮手袋の手で。 獣ののど元を掴み、骨を砕き。)

(放ると。 もう片方の手で、続けざまに向かってくる、
更なる巨体の頭を。 ねじり切った。)

バシャシャッ

(音々は、麗の腕に覆われ。 光景を目にしなかった。
だが、激しい音に。 両眼を固く閉じ。 身震いした。)

「・・父の部隊・・?」

(麗は、まだ判断がつかず。 音々に小声で合図した。)

「(しー・・。)」

ビシャッ・・!

(屈強な男の様子は、荒々しく。 次々と、闇夜の中、襲い来る、
巨大な獣を、なぎ倒す様は、たとえ味方であっても。 恐ろしく思えた。)

【ガアァァァァーッ!】

【ゴワッ・・!】

ボキキッ・・ グシャッ

(猛烈なスピードで、数を増す“黒い獣”。 男は、筋骨の目立つたくましい腕一本で。
みなぎる力と、素早さを合わせ持ち。 雨を弾き、黒い血飛沫を上げ、獣たちを倒した。)



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