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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-165


(白は、水飛沫を集める手で、剛に手を振ると。)

(表情を変えぬまま、すぐさま、空間通路への扉をくぐった。)

「帰りな、お嬢ちゃん。」

(剛は、麗と音々を、異空間の中から、送り出した。)

シュンッ・・!

「待てっ!」

(麗と、音々は。 淡いクリーム色の光が。 自分たちを押し出すのを感じた。)

「くそっ!」

(眩い光に、瞬き、麗は、音々の肩を抱き留めた。)

「音々ちゃんのお父さんたちは?」

(音々は怒りと恐怖に、肩を震わせた。)

「待ってるんだよ・・。」

「あいつ等がおびき出されるのを。」

「あいつ等が、隠しているものが、暴かれるのを・・。」

(花火が終わり、約束の時間を過ぎても、青葉は訪れない。)

「時間を過ぎても、青葉が来ない。」

「何か、あったのかも・・!」

「青葉は知ってるんだ・・。 何かが起こるって。 だからここへ来たがった。」



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