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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-168


(転んだ、晴の手と、地面に付いた頬は。 擦り切れ、血がにじんだ。)

「夢じゃないっ。 本物だ・・!」

「逃げろ、真っ!」

(晴は、上手く身体を動かせなかった。 衝撃に、打ち付けた四肢が痛み。
本能が、危機を発していても、一歩も踏み出せない。)

(淡い光に包まれた空間の中で。 取り残された自分たちと、怪物は消えず。
晴は、恐怖と悔しい気持ちに、身体を震わせ。 地面に爪を立てた。)

「・・・っ!」

(真は、もう、声を出せなかった。)

(振り返った真を、見下ろす。 怪物の巨体は、大きく。
絶望的な思いで。 見開く瞳に、その姿を映した。)

【ガァァァァァーッ!】

(巨体が吠え。 真を、丸のみ出来るほどの。 巨大な口を開いた。)

(黒い飛沫が飛び。 真の雨合羽のフードが、怪物の鼻息で吹き飛んだ。)

「何してるっ! 逃げろ!」

(怪物が襲い来るのと、声が聞こえたのが同時だった。)

(真は、硬直し。 口を開けたまま。 突然現れた、何者かに身体を抱えられ、
眩い光に、覆われた。)

コオッ! ドーンッ!

「きゃっ///」



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