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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-17


「子供の頃の彼を知っているからか。」

「一緒に暮らして来たからか。」

(誠司は、感慨深く。 自分の心を見つめ。 桜に微笑んだ。)

「彼のことは。 息子同然に思っています。」

(急に何を言うのかと、桜は可笑しくなり。 微笑んだ。)

「ふふっ/// あなたったら。」

「でもね、わたしもなの。」

(桜は、洗い立てのタオルを手に。 そっと、誠司に寄り添い。
内緒のポーズで。 片手を耳に当て、囁いた。)

「もし紫苑と二人がって・・。」

「本当の家族になれたらって・・。」

(言うと桜は頬を染め、誠司から視線をそらし、
笑った。)

「ふふっ/// あなたは簡単に、ゆるせないかもしれないけれどね///」

(聞いて、誠司はきょとんとした。)

「・・、僕をそんなに心の狭い人だと思っていたんですか?」

(桜は笑った。)

「あら、あなた。 紫苑のウエディングドレス姿は、当分見たくないって

言っていたじゃない? 泣いちゃうからって。」



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