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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter102 『8月1日(継承)』 102-18


(誠司は、思いがけず突きつけられた問いに、
目を閉じ、空を仰いだ。)

「う〜ん・・。」

(真面目に、悩みだしたらしい誠司に、
桜は嬉しそうに微笑んだ。)

「あらあら、本当に、悩みだしちゃったわね。」

(リビングから続くベランダから、小さな足音が響き。
芝生に可愛らしい靴で舞い降りる、可愛い人影がある。)

「パパー!」

(蒲公英は、お気に入りのスカートのフリルを靡かせ。
花の香りを舞い上がらせ。
誠司に抱き着いた。)

「たんぽぽちゃん。」

(誠司は嬉しそうに娘を抱き上げ。
青空の下で、微笑んだ。)

「そうですね。 僕には、蒲公英ちゃんがいますから。」

(桜は微笑んだが、誠司を横目で見た。)

「くすくすっ。 あら、そうかしら?」

(言ったのもつかの間。 snow dropに玄関チャイムが鳴った。)

ピンポーン

「あっ!///」



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