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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter102 『8月1日(継承)』 102-174
***
「静乃。 それで良い。」
「夏樹を俺に、近づけるな。」
(晃は、結界を見渡し、静乃の誘導により、上手く、人々が
元の姿に戻ってゆく様子を、FOTメンバーが自分から
十分に距離を保っていることを確認し。 微笑んだ。)
「どうした、聖。」
「俺を、指名したのは、お前だろう。」
「そんなに、不安定な結界では。」
「誰も、守れんぞ。」
「それとも、お前を失っても。 俺たちだけで守れると。
俺たちを、FOTを信じてくれているのか?」
***
「数馬!」
(夏樹に、迷っている暇はなかった。
雨に浮かぶ観覧車は。 虹色のイルミネーションを覆い隠すほど、
無数の真っ黒な“闇”に覆われている。)
(ゴンドラは、春日一家を乗せ、頂上で止まっている。)
【ゴォォォォーッ!】
(“闇”の吠え声が響き。 ゴンドラを揺らした。)
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